業界特有の課題から生まれた、型枠という解答
生コン業界には、材料管理上の事情から余剰コンクリートが発生し続けるという構造的な現実がある。有限会社泰徳はその現実を正面から捉え、余剰コンクリートを型枠で成形して残コンブロックとして再活用する仕組みを事業の中心に置いた。成形されたブロックは元のコンクリートの強度をそのまま保っており、仮設土留めや資材置き場の仕切り、現場のウエイトとして実際に機能する資材だ。廃棄費用の削減と使える資材の確保を同時に実現できるとして、導入を検討する生コン工場からの問い合わせが寄せられている。
残コン・戻りコン問題の改善サポートを通じて工場の環境をより良くしていきたいというコンセプトは、製品販売を超えた関与の仕方を意識している。型枠施工の現場では経験を積んだスタッフが工場の状況を丁寧に把握し、細部まで確認しながら作業を進める。
商品ラインと特注対応の柔軟性
「ベトンブロック」と「3Aブロック」の2シリーズを軸に、有限会社泰徳は複数の規格サイズと特注対応を組み合わせた商品構成を整えている。160×80×80、180×60×60という標準サイズに加え、工場の現場条件や生産計画に合わせた特注品の製作にも対応しているため、標準規格で対応しにくいケースでも選択肢が生まれる。フォークリフトスリーブ60・80、上部プレート(160×80)、仕切り板(80×80)、ブロック形状クランプ80といった周辺アイテムも揃えており、型枠本体と合わせた現場環境の整備を一括で進められる。
型枠の選定はヒアリングをもとに行われ、工場ごとの要望と環境に応じた提案が出発点になる。「自社の現場に合う型枠を選ぶ段階から具体的に動いてもらえた」という声が、この提案スタイルへの評価として届いているという。個人的には、製品スペックよりも提案のプロセス自体に強みがあると感じる部分だった。
5ステップで進む購入フローと納期の考え方
問い合わせから納品まで、購入プロセスは5つのステップで構成される。希望の型枠タイプ選定→見積もり提示→契約→商品代金50%の入金→正式オーダーという流れで進み、正式オーダーから約3か月で納品に至る。時期や注文内容によって納期が変動する可能性があるため、導入スケジュールを立てる際は事前確認が推奨される。3Aブロック型枠(160×80×80タイプ)の価格はユーロ建て時価でおおよそ30万円前後(商品代金のみ)で、為替レートや輸送費の状況が価格に影響する。
「掲載していない内容も個別に対応する」とFAQに明記されており、複雑な条件の工場の相談にも対応できる体制が取られている。問い合わせはウェブフォームまたは電話(078-911-9895)から受け付けており、営業時間は平日8:30〜17:00(日・祝定休)だ。
情報発信と社会的文脈の接続
生コン業界の動向、残コン削減の手法、脱炭素やSDGsへの対応—有限会社泰徳はブログとコラムでこれらのテーマを定期的に取り上げ、専門情報として発信し続けている。「余剰コンクリートを資源に変える型枠の活用法」(2026年4月)のようなテーマは、現場の実務担当者が直接役立てられる内容で構成されており、単なる企業広報の域を超えた情報量を持っている。脱炭素の流れが加速するなか、廃棄物の再資源化という現実的な解決策を業界の文脈で発信し続ける姿勢は、専門メディアに近い役割を担っている。
神戸市西区を拠点にしながら、生コン業界全体に通じる課題発信を行っているのは、事業と情報発信が地続きになっているからだろう。取引の前後を問わず工場担当者の判断に役立つ情報を提供するというスタンスが、業界内での信頼構築を着実に進めているように見える。


