鉄骨機械組立に特化した駐車場施工のプロ集団
機械式駐車場の鉄骨機械組立工事——この領域に絞り込んで技術を蓄積してきたのが有限会社大澤工業である。マンションや商業ビル、オフィスなど建物の種類を問わず、限られた敷地に収容台数を確保する設備づくりを手がけている。都市部では土地の制約から立体的な駐車設備の需要が根強く、同社の受注は関東一円に広がっている。東京都立川市に本社を置き、現場ごとの立地条件や建物構造を読み解いたうえで施工計画を組み立てる姿勢が、継続的な依頼につながっている。
個人的には、機械式駐車場という一つのジャンルにここまで集中している施工会社は珍しいと感じた。埼玉県久喜市には資材倉庫を構えており、都内案件と北関東エリアの案件を同時に回す際にも資材搬送のロスが少ない。駅前再開発や大型マンション建設といった規模の大きい現場への参画実績もあり、複数プロジェクトが重なっても人員と資材を分散配置できる運用体制を敷いている。
資格取得を会社で後押しする育成方針
鳶職として現場に立つには複数の資格が求められるが、有限会社大澤工業はその取得費用を会社負担でサポートしている。入社後に段階的に資格を増やしていける仕組みがあるため、未経験からスタートした職人でも数年でひと通りの業務を任されるケースが珍しくない。有資格者の層が厚くなれば高難度の案件を受けられる幅も広がり、結果として現場の回転率にも好影響が出ている。社会保険完備という待遇面も、長く働く前提の人材確保においては見逃せない要素だろう。
「先輩が横について一つずつ教えてくれるから、初日からそこまで不安はなかった」という声が目立つ。ベテランと若手が同じ現場に入る編成を基本としており、座学だけでは身につかない感覚的な技術が日常の作業を通じて受け継がれている。こうしたOJT主体の教育スタイルは、職人の世界では珍しくないものの、制度として資格支援と組み合わせている点に独自の設計思想がうかがえる。
経験不問で門戸を開く採用スタンス
有限会社大澤工業は鳶職の求人において、経験者を即戦力として迎え入れる一方、未経験者にも応募の間口を広く取っている。採用時に重視されるのは資格や職歴よりも、現場で体を動かす意欲と学ぶ姿勢だという。異業種から転職してきたスタッフも複数在籍しており、それぞれが前職で培ったコミュニケーション力や段取りの感覚を現場に持ち込んでいる。多様な経歴のメンバーが混ざることで、画一的になりがちな職人集団に新しい空気が入り込む構図ができあがっている。
職場の雰囲気は「アットホーム」という表現がよく使われるが、実際に休憩時間のやり取りや作業中の声掛けを見ると、年齢差を超えたフラットな空気が現場全体に流れているようだ。20代の若手が疑問を口にしやすい環境は、安全管理の面でもプラスに働く。新人がミスを隠さず報告できる風通しの良さは、高所作業を伴う鳶の仕事では特に重要な要素になる。
関東全域をカバーする二拠点体制と今後の展望
立川市の本社と久喜市の倉庫、この二拠点を起点にした配送ルートの設計が、有限会社大澤工業の広域対応力を支えている。都心の現場には本社から直接人員を送り、埼玉・群馬方面の案件には倉庫拠点から資材を先行搬入するといった使い分けが日常的に行われている。移動時間と輸送コストの圧縮は見積もり段階から反映されるため、発注側にとっても価格面のメリットが生まれやすい。
関東エリアでは再開発や大規模修繕に伴う機械式駐車場の更新・新設案件が途切れず発生しており、同社への引き合いも増加傾向にあるという。組織としては人員の拡充と技術継承の両輪で体制を固めつつ、施工エリアのさらなる拡大を視野に入れている。久喜倉庫の稼働率が年々上がっている点は、案件数の伸びを裏付ける一つの指標になっている。


