「大相続時代」の只中に設立された、課題特化型の組織
株式会社ケンショウが設立されたのは2020年6月、地域に根差した法律家と企業家が集まったのが起点だ。相続により譲り受けたものの活用方法がわからず放置されている土地が増え続ける社会状況を背景に、不動産の仲介だけでなく権利関係の整理・売却・活用・暮らしの支援まで射程に収めた設計で事業がスタートしている。(一社)兵庫県宅地建物取引業協会、(公社)近畿地区不動産公正取引協議会、一般社団法人地方創生パートナーズへの加盟が、組織の立ち位置を示している。
個人的には、「まちづくり・文化振興」や「男女共同参画の推進」まで事業内容に含まれている点が特に印象に残った。収益事業の枠を超えた社会的な役割を担う意識が、依頼者との関係性の作り方にも反映されているように感じる。
所有者不明・相続放棄・農地——受け止める問題の幅
名義人の行方がわからない土地の対処、相続放棄の検討、農地や山林の処分——これらは通常の不動産会社が「専門外」として断ることも多い類の相談だ。株式会社ケンショウは弁護士・司法書士と密に連携する体制を整えており、法的手続きが必要な局面でも同一の流れの中で対処できる。一般社団法人所有者不明土地利用円滑化推進協議会との連携により、負動産を1円で引き取る提案という具体的な出口も持っており、行き場のない土地に処分の道筋を開く役割を担っている。
「断られ続けた末に辿り着いた」という表現で問い合わせが届くことがあるらしく、他所では対応できなかった案件を受け止める機能が、利用者の間では口コミで認知されつつあるようだ。山林・農地の保全・買取・相続相談も含めた幅広い受付体制が、その評判を下支えしている。
全国エージェントとRE/MAXが支える売却・仲介の機動力
売却を目指す場合、全国に在籍する提携エージェントが現地確認を代行し、依頼者が動かない状態でも物件情報の収集・共有が進む体制を株式会社ケンショウは持っている。RE/MAXの一員として国内外のバイヤーへのアプローチが可能で、インバウンド需要や海外不動産のアウトバウンド案件にも対応できる。細かな市場調査をもとにした適正査定と、資金計画・契約上の注意点の説明まで含めた丁寧な進め方が、納得感のある売却成約へ向けた姿勢として機能している。
「国内では動きにくいと思っていた地方物件で、海外からの問い合わせが来た」という経験をした相談者が出てきているとのことで、RE/MAXネットワーク経由の販路拡大が実際の成果に繋がっているケースもある。遠方の土地を西宮の事務所経由で処理できるという仕組みは、特に都市在住で地方に不動産を持つ方にとって有用だ。
来店・出張・オンライン——相談の入口を相手に委ねる姿勢
甲子園駅から徒歩1分という場所に事務所を置きながら、来店を前提としない相談設計にしているのが株式会社ケンショウの特徴の一つだ。希望の場所への出張、オンライン対応を含めた三ルートを整備しており、遠方在住者や高齢の相談者でも参加できる入口を確保している。電話0798-31-5005とメールinfo@i-kensho.jpで問い合わせを受け付け、9:30〜19:00(水曜定休)の営業時間内であれば当日の問い合わせにも対応する。
FAQ(よくある質問)には費用・持ち物・士業との連携体制などが整理されており、初めての相談前に概要を確認できる構成になっている。「納得して一歩踏み出すための参考に」という案内文が示すとおり、情報格差を埋めることが最初の接触へのハードルを下げる設計になっている。


