40年超の経験が裏打ちする木材選定の精度
東南アジアや南米から直接仕入れるハードウッドは、樹種ごとに耐久性や質感がまったく異なる。株式会社タンセイでは、設置場所の気候・用途・利用者の動線まで踏み込んだうえで材種を絞り込んでいく。たとえば塩害リスクのある沿岸部には耐腐朽性の高い樹種を、素足で歩くデッキには肌あたりの柔らかい材を選ぶといった具合で、条件と樹種の組み合わせに関する判断の蓄積量が業界でも際立つ。原産地の生育環境から日本の四季における経年変化まで把握しているからこそ、納品後のトラブルが少ない。
「提案段階で想定していなかった塩害対策まで指摘してもらえた」という施主の声が印象に残る。海沿いの商業施設を手がけた設計事務所からも、材種選定の段階で具体的な劣化シミュレーションを提示された点が評価されていた。木材の輸入元との関係が40年以上続いている事実は、仕入れ価格だけでなく品質の安定にも直結している。個人的には、樹種ごとの経年変化サンプルを倉庫に保管している姿勢がもっとも信頼感につながると感じた。
伊丹空港デッキにも採用された人工木という選択肢
天然木一辺倒ではない点が株式会社タンセイの面白いところで、廃プラスチックと木粉を原料とするリサイクル系人工木も正式なラインナップに加えている。伊丹空港の展望デッキに採用された実績は、公共施設レベルの安全基準をクリアしている証拠にほかならない。天然素材の風合いを求める顧客には適正に管理された輸入材を、メンテナンス頻度を抑えたい顧客には人工木を提示するという二軸の提案スタイルを貫いている。間伐材の活用を森林保全の文脈で捉え直し、木材利用そのものを環境配慮の行為として位置づけている点も見逃せない。
人工木を実際に導入した商業施設の管理担当者からは「年1回の洗浄だけで10年近く外観を維持できている」という報告が上がっている。コスト面でも、天然ハードウッドと比較して初期費用を2〜3割抑えられるケースがあるという。エコロジー志向の案件では人工木の指名が増えており、株式会社タンセイへの問い合わせの約3割がこのカテゴリに集中しているとのこと。素材の違いによるライフサイクルコストの比較表を見積もり段階で出してくれるため、発注者側の社内稟議が通りやすいという声も目立つ。
国立新美術館からJRA府中競馬場まで——施工実績が語る技術水準
輸入・販売・施工を分業せず自社内で完結させる体制は、情報の断絶を防ぐうえで極めて合理的に機能している。設計意図が施工チームへダイレクトに届くため、仕上がりのズレが起きにくい。国立新美術館、JRA府中競馬場、九州大学といった著名施設での採用歴は、品質管理の厳しさをそのまま物語る。従業員12名という少数精鋭の組織だからこそ、一つひとつの現場に対する目配りが行き届く。
ある教育機関の改修案件では、既存デッキの劣化診断から新規材の選定、施工、引き渡し後の点検まで同じ担当者が一貫して対応したという。外注を挟まない分、工期が当初見込みより2週間短縮された事例も報告されている。中間マージンが発生しない構造はコスト面の透明性にも寄与しており、見積もり内訳を細かく開示する姿勢に好感を持つ設計者は少なくない。
大阪・千葉・名古屋の3拠点で全国の気候差に対応
株式会社タンセイは大阪、千葉、名古屋に営業所を置き、福島から福岡まで広域の案件を手がけてきた。平成2年の設立から30年以上にわたって積み上げた施工データは、地域ごとの湿度・気温・紫外線量と木材劣化の相関を読み解く独自の知見になっている。北関東の凍結融解が激しいエリアと、九州沿岸の高温多湿エリアでは推奨樹種がまるで違い、その判断を即座に下せるのは全国で場数を踏んできた結果にほかならない。無料見積もりの段階から現地の気候条件をヒアリングし、材料と工法をセットで提案する流れが定着している。
住宅のウッドデッキ新設を依頼した施主が「最初の電話から施工完了まで担当者が変わらなかった」と話していたのが記憶に残る。常陽銀行柏支店との継続的な取引関係が示すとおり、財務面の安定性も長期プロジェクトを任せるうえでの安心材料になっている。商業施設、競技場、大学キャンパスと案件の振れ幅が大きいにもかかわらず、対応フローが崩れないのは拠点間の連携が仕組みとして回っているからだろう。遠方の現場でも事前の材料手配と搬入スケジュールを細かく詰めるため、現地作業の日数を最小限に抑えられている。


